2026/01/22
| 読み方 | グラウンデッド・セオリー |
|---|---|
| 英語表記 | Grounded Theory / GTA |
| 関連カテゴリ | 質的研究の基礎 |
グラウンデッド・セオリーとは
グラウンデッド・セオリー(Grounded Theory)は、社会学者のバーニー・グレイザーとアンセルム・ストラウスによって1960年代に開発された質的研究法である。
従来の研究では、先行研究に基づいて仮説を設定し、その検証のためにデータを収集・分析することが一般的である。これに対してグラウンデッド・セオリーは、データの収集と分析を並行して進め、その過程から概念やカテゴリーを生成し、帰納的に理論を構築していく点に特徴がある。
「グラウンデッド(grounded=根ざした)」という名称は、理論が研究者の先入観ではなく、実際のデータに根ざして生成されることを意味している。
主な手順
- データ収集:インタビュー、参与観察、文書資料などから質的データを収集する
- コーディング:データを細分化し、意味のある概念やカテゴリーとして整理する(例:オープンコーディング、軸足コーディング、選択的コーディング ※主にストラウス派の整理)
- 理論的サンプリング:分析の進展に応じて、理論構築に必要なデータを追加的に収集する
- 理論的飽和:新たなデータを加えても新しい概念や関係性が生じなくなった段階でデータ収集を終了する
- 理論の生成:カテゴリー間の関係性を整理し、社会的プロセスを説明する理論を構築する
特徴と用途
グラウンデッド・セオリーは、既存理論が十分に整備されていない研究領域や、人々の経験・行動・相互作用のプロセスを探索的に理解したい場合に特に有効な方法である。
そのため、社会学に加え、看護学、教育学、経営学など多様な分野で広く活用されている。
補足(流派による違い)
コーディング手順(オープン→軸足→選択的)は、主にストラウス派で体系化された整理である。一方、グレイザー派では手続きを固定化しすぎず、比較分析を重視する立場もあるため、研究の立場に応じて説明を補うとよい。
バイアスの存在
グラウンデッド・セオリーは研究者のバイアスが入り込みやすい。理論的サンプリング、コーディング、理論的飽和の判断など、各段階で研究者の解釈が介入するためだ。
メモの作成や複数研究者による照合などの対策は推奨されているが、それで十分かは判断が分かれるところである。
→ グラウンデッド・セオリー。バイアスが入りやすい構造的理由
よくある疑問
GTAとM-GTAの違いは?
M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)は木下康仁による日本発の手法である。オリジナルのGTAより手順が明確で、分析ワークシートを用いる点が特徴。日本の看護研究で広く用いられている。

